しゃちくのおもむくままに

なにがしたいんだ?

俺に聞かないで。

コミュ障改善プログラムに参加した話

この話も高校時代に通っていた予備校であったものです。

通っていた予備校では、その予備校に通っている人のみが受けられるセミナーが開催されていました。
そんなん誰が行くのっていう内容だったので全部無視していたある日、塾の先生から声をかけられました。

「コミュニケーション力を向上させるプログラムがあるんだけどどうかな?行ったら確実にためになるよ」

正直全く行きたくなかったのですが、様々な校舎から参加者を募っているらしく、どうしてもと言われたので了承しました。

そして当日、休日だったと思います。開催予定地の東京某所へ赴きました。

会場についてまず感じたこと。まともなやつがいない。

顔から服装全てが陰キャそのものでさらに視線が誰とも合いません。俺も陰キャだけど俺を超えている。そう感じました。
おそらく全員が全員そう思っていたでしょう。


そしてセミナーが始まりました。


まず班分けされます。自己紹介等を行った後レクリエーションをし、交流を深めた後、講師のありがたいお話を聞いて今後の宣言(?)という流れでした。

自己紹介はすんなり終わり早速レクへ。

くっそつまんないゴミみたいなレクだったので全く盛り上がらず、冷えっ冷えの空気が会場を漂います。

そんな中俺の班のメンバーの女の子(可愛くはない)がレクでいい動きを見せます。
すると司会役の人が
「いいねー!ナイスだよ!ほら、キミ、ハイタッチしなきゃ!」

…は?

断ることもできず「イ、イェー…」とか言いながらハイタッチする俺と女の子。
地獄も地獄で脇汗が止まりませんでした。

俺、休みの日に何してんだろう…

地獄のレクが終わり、その後のありがたい話も終わり、今後の宣言発表の時間になりました。はよ終われ。

今後の宣言というのは、これから自分がコミュニケーションするにあたってどういうことを意識していくかを全員の前で宣言する、というものです。
班ごとに全員が前に出て、予備校名、名前、宣言を一人ずつ言います。

それがまた変な内容で、コミュニケーションには積極性が求められるから、班の中で順番とか無く言ったもん勝ちという自分で書いていても意味がわからんルールでした。

俺は早く帰りたいこともあり、クソセミナーすぎて全てがどうでも良くなっていたので一番先に名乗りを上げこう宣言しました。


〇〇校!むつりか!物怖じしない!!


セミナーは終了しました。


セミナーが終わり気づいたことがあります。
それはなぜ俺にセミナー参加の声をかけてきたのかです。

もちろん予備校には俺以外にも生徒がいました。でも先生は俺のところへ真っ先に来ました。
そして参加するよう懇願のような形で頼み込んできたのです。

俺は、各校から参加者を出す必要があるから先生も大変だろうなと思ったから渋々参加したに過ぎません。
でも本当は?俺がコミュ障だと思って提案し、参加した俺を見てほくそ笑んでいた…?

思い返せば参加を表明した時、先生はニヤニヤしていました。

絶対許さねえあのデブ。


そんなこんなで参加したコミュ障改善プログラム(実際はもっとオブラートに包んだ優しい名前です)で物怖じしない宣言をした俺は、

塾のホームページに載せられていた俺と女の子のハイタッチ写真を見て物怖じしましたとさ。

めでたし。