しゃちくのおもむくままに

なにがしたいんだ?

俺に聞かないで。

リアルバイオハザードされた話

高3の頃、予備校に行っていた時の話です。

俺はお家大好き人間なので、講義が終わったら速攻で家に帰っていました。
その日も例に違わず速歩きとジョギングの境目くらいの鬼速で移動していました。

イヤホンをつけて猛スピードで歩く制服着た男。完全に陰の者でした。

駅前の商店街に差し掛かり、人を間を縫って高速移動していた時、左肩をトントンと叩かれました。
なんだろうと思ってイヤホンを外し左を見ると…

めちゃくちゃ息を切らしたナニカが

バァ゙…゙バァ゙…歩゙ぐの゙っ゙…ばや゙い゙…よ゙…

と言ってきたのです。

長い髪が前に垂れ下がり顔が見えず、貞子みたいなナニカ。

びっくりしすぎてそのナニカに向かって俺は

「え…ごめん…」

としか言えませんでした。バイオハザードでしょこんなん。

そのナニカは息を整えるとこちらを見てきました。そしたらアラ、なんとびっくり。

一度も話したことのない予備校に通っている女の子でした。

話を聞くと一緒に帰ろうと思っていたのに早すぎるから走って追いかけてきた。とのこと。

いや、君初対面だよ?

その子は駅の方へ向かうとのことなので一緒にそのまま駅へ移動しました。話した内容はまるで覚えていません。

電車の方向も同じという偶然がありましたが、ここで一つ問題が。

俺の駅は1個先の駅で、次の電車が2個先の駅行き。女の子はもっと先の駅。

早く家に帰ってオンラインゲームをしたい。でもここで女の子を置いて先に電車に乗って帰るのは…

結局俺は一本電車を見逃して、その子の最寄り駅まで行く電車に乗ってあげました。
するとめっちゃ優しいね!と言ってきて上げに上げられた挙げ句ラインを聞かれました。もちろん渡しました。

その後めちゃくちゃメッセージが届きます。いやー、嬉しいなぁ。



でも悲しいことにその子はタイプではありませんでした。
俺はそのメッセージを削除、ラインをブロックして未読スルーしました。


結局その人とそれ以降接触することは有りませんでした。


相手はゾンビなので当たり前です。こちらはトラウマを植え付けられたのだから。

彼女に何か今言えるのであれば。こう言いたい。

本当にごめん。

何の話ですかこれは。